【例会報告】8月例会「理想の未来を見据えて、自社を問い直す。〜単なる数値目標ではない、理念から逆算する「10年ビジョン」の真価〜」報告者 株式会社良久良久 吉武 鑑泰氏

8月20日(木)18時20分・天神チクモクビル+zoomのハイブリッド形式にて、中央支部8月例会が開催されました。

本例会の報告者は、株式会社良久良久(らくらく)代表取締役 吉武 鑑泰(よしたけ あきひろ)氏(有明支部)に担当いただきました。

良久良久は、自衛隊駐屯地内の売店運営を手がける会社です。吉武氏は2000年、25歳のときに個人事業として創業。国から民間への委託に切り替わる際、取引を引き継げたのは30社中わずか3社という厳しい環境の中で事業をスタートされ、その後も5年に一度の「公募」(駐屯地内の満足度調査と業者選定)を乗り越え続けてこられました。

報告する吉武鑑泰氏

若竹屋酒造・林田社長との出会いをきっかけに、経営指針書をつくるために同友会へ入会し、法人化。そこから経営指針書とともに10年ビジョンを描き続けて16年になります。

最初に描いた10年ビジョンは「売上100億!」。5,000万円に2を掛け続けただけの、数字を積み上げただけのものだったそうです。指針書の更新に古参社員がついて来られず3名が退職するという出来事もありましたが、指針書をつくった後に採用した社員と団結し、経営理念も2度にわたって見直す中で、「社員の人生を背負っている」という経営者としての覚悟が芽生えていきました。

6期目にはビジョンポスターを作製し、会社の10年ビジョンと社員一人ひとりの10年ビジョンを並べて掲げるように。10期目には、売上10億・3店舗・刺繍部門・栄養管理部門など、社員と共につくる10年ビジョンへと進化していきます。ビジョンが経営者一人のものから、みんなのものへと変わっていった過程が、とても印象的でした。

良久良久 10年ビジョン

そして、大きな転機が訪れます。公募で大手企業に敗れ、長年守ってきた久留米の店舗を失うことになったのです。まさに「目先の環境激変」に直面したとき、会社を支えたのは目先の数字ではなく、理念から描いた10年ビジョンでした。社員と共に玖珠・米子での再始動を果たした吉武氏の「もし10年ビジョンを作っていなかったら、間違いなくあの出来事を乗り越えることはできなかった」という言葉が、印象的でした。

想像する→描く→動く→検証→近づく→描きなおす

吉武氏のご報告にあったとおり、ビジョンは「想像する→描く→動く(もがく)→検証する→近づく→描きなおす」の繰り返しです。そして報告の最後には「ビジョンは伝えることが大事。言っていると、周りが情報をくれる」という言葉がありました。描いたビジョンは自分の中にしまっておくのではなく、社員や家族、同友会の仲間に口に出して伝えてみる。伝えた分だけ、実現に近づく情報と応援が集まってくると教えていただきました。

報告の後は、グループ討論に入る前に5分間のワークを行い、10年後の自社の姿をそれぞれ書き出していただきました(5分では全然足りなかった方も多かったのではないでしょうか)。そのうえで「あなたには、目先の環境激変に揺るがない『理想の未来像(10年ビジョン)』がありますか? また、そこから逆算して、今どのような一歩を踏み出しますか?」をテーマにグループ討論を行い、会社の状況は違っても、未来から逆算して今を問い直すという視点で、たくさんの気づきと「今日からの一歩」が語られました。

座長を務めた私自身、正直なところ日々の業務に追われ、10年後の未来などまだまだ想像できないと思っていました。ですが、順調なときだけでなく、本当に苦しいときにこそビジョンが経営を支えるのだと、今回改めて感じました。当日書き出していただいた10年後の姿を、最初の「想像する」の一歩として持ち帰り、そこから描き、動き、描きなおしていく。私も、10年ビジョンを想像するところから始めたいと思います。

ご参加いただいた会員・ゲストの皆様の経営の一助になっていれば幸いです。

次回の9月例会も、ぜひご参加をお待ちしております!

8月例会 座長 山本ブロック 近藤歩

2026年8月21日

2026年8月21日

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