5月26日(火)に福岡県中小企業家同友会・中央支部合同ブロック例会「経営者読書会」が開催しました。
今回の読書会も、経営の本質を深く見つめ直す、非常に濃密で有意義な時間となりました。
経営者が集い、一冊の書籍を真摯に読み解きながら、それぞれの視点や経験を交えて議論を交わす。このプロセスそのものが、変化の激しい現代を生き抜く経営者にとっての大きな糧になると改めて実感しています。
今回指定された書籍は、近藤隆雄 著 『サービス・マーケティング』です。
サービスの本質を体系的・科学的に捉え直す名著であり、今月はその中から「第1章」「第3章」「第4章」の3つの章を抜粋して進められました。
■ 今月の勉強内容:各章の大枠
当日は、書籍の以下のような大枠を参考にしながら、経営の実践にどう活かすかという視点でディスカッションが行われました。
[ 第1章 サービス・マーケティングへの招待 ]
1 サービスの仕事
2 ノードストロームの神話
3 サービスはドラマ
4 サービス・マーケティングへの招待
この章では、私たちが日々向き合っている「サービス」という概念の全体像や、捉える視点など、サービス・マーケティングの前提となる重要な考え方が示されています。
[ 第3章 商品としてのサービス ]
1 サービスとは何か
2 体験としてのサービス
3 わが国での「サービス」という言葉が表すこと
4 情緒的サービスの誤解
ここでは、目に見えないサービスを一つの「商品」としてどう確立するか、また日本における「サービス=無料・おまけ」という誤解をどう解消し、高付加価値なものとして提供していくかという本質的なテーマが並びます。
[ 第4章 サービス商品の特徴ーモノ製品とどこが違うのか ]
1 「モノ」と「サービス」はどこが違うのか
2 サービスには形がない
3 生産と消費が同時に起きる
4 サービスではプロセスも大切
5 サービスはお客との共同生産
この章では、製造業などが扱う「モノ製品」と「サービス商品」の決定的な違いが整理されています。無形性や同時性、そして顧客とともに価値を作り上げる「共同生産」の視点など、自社のビジネスモデルを見直すための具体的な指標が示されています。
当日はこれらの内容をベースに、各経営者が自社のビジネスや業界の現状に置き換えながら、活発な意見交換を行いました。項目を一つずつなぞるのではなく、それぞれの関心や課題に合わせた多角的な議論が展開されました。
■ 参加しての感想と学び
今回も、非常に多くの気づきと刺激をいただく時間となりました。
読書会の素晴らしいところは、同じテキストを読んでいるにもかかわらず、参加者の業界や経営状況、これまでの経験によって、全く異なる視点や捉え方が出てくる点です。
自分一人では通り過ぎてしまうような内容に対しても、「自社ではこう捉えている」「ここに課題を感じた」という生の声を聞くことで、思考の枠がぐっと広がる感覚を覚えました。
また、足立支部長による卓越した解説は、抽象的な理論を具体的な経営の実践へと落とし込むための大きな助けとなりました。
ディスカッションの中で、足立支部長が仰られていた言葉が深く心に残っています。
「この勉強が今すぐに結果が出ることはない。しかし、経営をしていて様々な局面に対面した時に、ここで学んだことがふと降りてくる。」
まさに経営の学問とは、即効薬ではなく、漢方薬のようにじわじわと経営者自身の血肉となり、いざという時の判断軸になるものだと強く感じました。目先の売上を大事にしながら、ただ、それだけを追うことだけでなく、こうした本質的な学びの場に身を置き続けることの価値を再認識させられました。
日々の「Science(科学・理論)」の蓄積を怠らず、しっかりと自社に持ち帰り、実践を繰り返すこと。それによって、仕組みとしてのサービスを磨き上げ、自社のビジネスをより強固に発展させていきたいと決意を新たにした合同例会でした。
【開催概要】
▪︎イベント名: 福岡県中小企業家同友会 合同ブロック例会『 経営者読書会 』
▪︎次回開催予定: 2026年6月23日(火) 17:30〜19:30
▪︎お申し込み:edoyuよりお申し込みください。