7月支部例会報告

7月支部例会報告

 

 7月17日、天神ビル11階会議室において中央支部7月例会が開催されました。

今回は壱岐で株式会社ビューホテル壱岐を経営されている吉田繁さんに、「壱岐づくり・お客様作り~しまとく通貨で地域活性化~」と題した報告をしていただきました。

 今回の報告では、吉田さんの実家の旅館経営に関わり始めた時の話から始まり、現在行っている企業と地域が一体となった、地域活性化運動での地域貢献の話が中心でした。

 吉田さんが家業を引き継いだ時の旅館の状況は大変なものだったそうです。そこで、旅館経営をしっかりしたものにしたいと考え、まずは料理からと、壱岐調理師会という組織を作り、そこで料理をゼロから学び覚えていったとの事です。

 その後、順調に経営ができていたものの、バブル景気の終わり頃に今後の旅館経営の将来のことを考え、一念発起し、現ホテルであるビューホテル壱岐を建設されたそうです。

 現在では、ビューホテル壱岐のこだわりとして、生きた食材を中心とした料理を出し、水槽の性能を上げて生け簀の能力を高度に保った魚介類を提供できるようにして、ホテル利用者に満足度が高いサービスが提供できるよう、経営努力をされています。

 このように吉田さんは、経営努力をして頑張っていますが、近年、壱岐の観光客は減少傾向にあり、壱岐の主要産業である観光業は厳しい状況にあるそうです。また高齢化が進み、過疎化、人口減少にともなって、壱岐の観光業以外の産業も衰退している状況にあるとの事でした。

 そこで、壱岐の人々が「このままではいけない」と、地域活性化のために地域一体となって町おこしをされています。吉田さんもこの活動に積極的に参加し、中心的な役割を果たしておられます。

 壱岐の人々や町、企業にとっては観光業は重要産業であり、収益性が高い大きな収入源となっていることから、観光業を中心とした町おこし活動が行われています。特に、長崎県の予算で「しまとく通貨」という地域通貨を使っての町おこしは、非常に面白い取り組みとして、注目を浴びています。

 中小企業の経営基盤は国民生活や地域と密接に結びついており、そことの信頼関係がなければ中小企業の発展はありえません。

中小企業家同友会は、「国民や地域と共に歩む中小企業」を目指しており、豊かな国民生活の実現に貢献することが理念です。

吉田さんの活動は、この理念を実現するものであり、非常にすばらしい取り組みをされていると感じました。                      (報告 足立 知弘)

2014年9月19日