皆さま、こんにちは。
いちご会計事務所の足立です。

日々の経営に追われていると、本を読んだり、例会に参加したりする時間を確保するのは、簡単ではありません。
「勉強することは大切だと分かっている。でも、今は仕事を優先したい」
そんな気持ちになることもあると思います。
それでも、私たち経営者には、学び続ける時間が必要です。経営者の判断が、社員の働き方や暮らし、そして会社の将来に影響するからです。
私たちは、その判断の土台を、日々磨いているでしょうか。
長年の経験は、経営者にとって大きな財産です。しかし、経験を重ねるほど、自分のやり方が当たり前になり、ほかの考え方が見えにくくなることもあります。
例えば、社員から意見が出ないとき。
「もっと主体性を持ってほしい」と考える前に、振り返りたいことがあります。社員が話し終わる前に結論を出していないか。提案を受けても、できない理由ばかり並べていないか。
経営者にとっては当たり前の対応が、社員の発言をためらわせているかもしれません。
本を読み、ほかの経営者の話を聞くことで、こうした自分自身の姿に気づくことがあります。学びには、自分の判断や行動を、少し離れたところから見直す働きがあるのだと思います。
ただ、知識を得ただけでは、自社の経営は変わりません。
「社員との対話が大切だ」と聞いて納得しても、翌日から同じ接し方をしていれば、職場の関係は変わらないでしょう。
まずは一人の社員に、仕事で困っていることを聞いてみる。そして途中で口を挟まず、最後まで聞く。出てきた意見の中から、一つ改善してみる。
その結果、何が変わったのかを確かめる。うまくいかなければ、理由を考え、やり方を修正する。
この繰り返しによって、学んだ言葉が、自分の判断に使える知恵になっていくのだと思います。
同友会で共に学ぶ意味も、ここにあるのではないでしょうか。
一人で考えていると、自分の見方に偏りがあっても、気づくのは難しいものです。異なる業種の仲間と話すことで、自分にはなかった問いが生まれます。
同じ報告を聞いていても、採用の問題に注目する人もいれば、経営者と社員の関係に注目する人もいる。その違いに触れることで、自社の課題を見る角度も広がります。
そして、自分の悩みを言葉にしてみると、考えが曖昧だったことに気づく場合もあります。
だからこそ、立派な話だけをする必要はありません。うまくいかなかったことや、今も迷っていることを持ち寄れる関係を、支部の中で大切にしたいと思います。
学ぶことには、自分の未熟さと向き合う厳しさもあります。それでも、経営者自身が考え方を改め、行動を変える姿は、社員が安心して学び、挑戦する土台にもなるはずです。
会社をより良くしたい。
社員が力を発揮できる職場にしたい。
地域から必要とされる仕事を続けていきたい。
その願いを実現するために、経営者には、今の自分を問い直す時間が必要なのだと思います。
次の例会では、自社で迷っていることを一つ、持ってきませんか。そして、帰るときには、実践することを一つ決めてみる。
私自身も、学んだことを日々の経営にどう生かすかを問い続けたいと思います。
中央支部の皆さんと共に学び、実践し、その結果をまた持ち寄る。そんな積み重ねを通じて、一社一社の経営を強くしていきましょう。
福岡県中小企業家同友会 中央支部
支部長 足立知弘