中小企業問題全国研究集会in三重に参加しました!

 2024年3月7(木)~8日(金)中小企業問題全国研究集会in三重に参加しました! 全国47都道府県同友会から1145名が参加しました。今回の全体テーマは「結束 加速 Reborn」です。

当日参加した第7分科会について報告します!

※分科会内の写真撮影は控えるとのことでしたので、全体会の様子の写真を掲載しております。

【第7分科会報告】
<自己紹介>
・報告者:阿部 章 氏 株式会社パルサー 代表取締役(宮城同友会 泉支部理事)
・テーマ:中小企業の現場から考えるDX ~「組織」「事業定義」「人がすべき仕事」の再定義
・1989年設立、事業内容:無人化・セルフ化機器販売事業、リース・レンタル事業、オウンドメディア事業、デザイン事業
・経営理念(パーパス)「私たちは書かある人が幸せになれる会社をつくります」
・迷った時の自社の経営判断は、①社員→②お客様→③メーカーの順番で最優先に考える。

 当社は、先代社長の父がクボタの券売機の販売代理店を始められたそうで、当時父が倒れられ、紙にすら書かれていない父の頭にしかなかった「知識」がなくなったそうです。当時1社依存体制で売上の大半を占める顧客が倒産。さらに、クボタも券売機販売代理店事業を撤退。自社の「知識」「歴史」「市場」がなくなった中で事業承継され、事業の再定義を進めます。

 戦略構築として既存事業を「掛け算」しまくる(取扱商品拡大、デザイン提案、アフターケア等)、ビジネスモデル進化としてアクセス解析から「券売機 リース」「券売機 レンタル」の検索ワードから新しい市場を発見した事例、またIT化による効率化Kintone導入などを進めたことなど、様々な事例を紹介していただきました。事業定義は、「当初の 券売機事業」→「人の代わる機器」→「全国向けの無人化セルフ化総合商社」へと発展していきます。

これらに取り組む中、IT化がうまくいくケースと、うまくいかないケースについて社員の方と話して、下記のようにまとめられました。

△IT化うまくいくケース
・小さな成功体験を積み重ねる(最初から完璧を目指さない)
・みんなで良くする意識と時間をとること
・担当を一人にしないorパワーのある担当を置く。(声の大きい人に対抗できる)
・システムに業務を合わせていく
・外部コンサルなどの専門家を活用する
・若手や意識改革の高い人をあてる。
・トップダウンも有効に使う

▼IT化うまくいきにくいケース
・目標とするゴールが高い
・担当や現場任せ(社長が分からないと諦める)
・社長や声の大きい人がやらない、壊す
・外部コンサル任せ、丸投げ
・人の意見を聞きすぎる、全体最適が大切
・1つのシステムにこだわりすぎる(システムは一長一短)
・やらないことなどの反発を受け入れすぎる


「すべての仕事の目的は」「関わる人が幸せになる会社をつくること」社員を幸せにしたいと語る阿部さん。このお話のほかにも、紆余曲折、様々な苦難を乗り越えられ、経営者の意識のシフトや自身の自己変革、自立型組織づくりの報告も展開されました。

 所感として、改めてDX化にあたり事業領域の定義、人のすべき仕事の定義が中小企業に求められていると感じました。システムに業務を合わせるなどの導入事例にも倣いつつ、業務効率化アプリなど自社内でも使い倒せるようになるには、自社内で自律的に提案できる仕組み・社風が必要だと思いました。

2024年4月17日

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