第118回景況調査(2021年7月~9月期)ダイジェスト

「景況感は改善傾向も企業間、業種間に温度差あり。
           経営環境の変化に対応した新しい取り組みと内部強化を急ごう!」

〔概況〕

  2021年7月~9月期の状況では売上高DI・利益DI・新規受注DIが、前回V字回復的改善の反動から全て悪化となりました。景況感DIは▲22.5とマイナス域が続いていますが次期予想DIは3期連続改善しプラス域を推移しています。
 業種別の動向では、建設業、商業流通業において悪転したDI値が散見されました。一方建設業(土木・設備)の新規受注DIで好転があったほか、全体的な次期予想はプラス域となっています。
 経営上の問題点は、「民間需要の停滞」が7期連続で最も多い問題として挙げられていますが減少傾向にあります。引き続き“ウッドショック”の影響からか「原料・材料等の高騰」や「仕入れ単価上昇」が上昇しました。「人材獲得難」は2番目に多い問題として挙がっています。
 特設項目では“資金繰り”“インボイス制度”“最低賃金引き上げ”“コロナ禍等対策の新たな取り組み”について調査しました。“資金繰り”に関しては二けたプラス域ではありますが前回から比較すると▲5.3と減少傾向となっています。インボイス制度については、回答者の約半数が「知らない」と回答し、「対象事業者かどうか分からない」という回答が回答者の4割程度を占めた。「最低賃金引き上げ」については0~5名の小規模事業者の20%が「知らない」と回答した。
 経営指針書に関する設問では、「作成し実践している」と回答した企業の割合は前回調査よりも減少し、「作成に至っていない」と回答した企業は微増しました。経営指針書と景況感のクロス分析では「作成し実践している」と回答した企業の景況感は平均よりも高い値を推移しており「作成に至っていない」と回答した企業は低い値となっています。
 景況感としては改善傾向にありますが、コロナ禍で環境悪化に対して、慣れからの縮小再生産的な動きも見られる状況です。今後の予想が難しい状況ですが、しっかりと事業計画を立てて経営を行っていく事が必要となります。

第118回景況報告書 (PDF形式)

第118回景況調査ダイジェスト (PDF形式)

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