【第2回AI勉強会レポート】厳しい環境下でも経営者の学びは止まらない ─ Gemini Notebook(旧NotebookLM)で経営を90点以上に引き上げる

夕刻に熊本・八代地域を震源とする地震が発生した不安定な状況の中、それでも学びの場に集まってくださった経営者の皆さまと共に、(一社)福岡県中小企業家同友会の第2回AI勉強会が開催されました。今回のテーマは、Googleが提供する注目のAIツール「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」。単なるツール紹介にとどまらず、”90点以上のアウトプット”を実現する実践知を共有する凝縮された2時間となりました。

イベント概要

  • 開催回:第2回 経営AI支援勉強会
  • 開催日時:2026年7月28日火曜日 18:30~21:00
  • 開催場所:福岡同友会県南地区センター 会議室(住所:久留米市西町1367−1)
  • テーマ:Gemini Notebook(旧NotebookLM)の活用と実践
  • 講師:柿元 千德 氏(DXコンサルタント/AIセミナー講師)
  • 主催:(一社)福岡県中小企業家同友会
  • 形式:ハイブリッド開催(画面リモート共有+会場実習形式)

“経営環境が揺らぐときこそ、経営者は学びを止めない”。同友会が掲げる「よい経営者になろう」という理念が、まさに体現された一日でした。

背景:2040年、労働生産性を1.5倍に

なぜ今、AIなのか。柿元氏はまず、社会背景から丁寧に紐解いてくださいました。

  • 今年度の情報通信白書によれば、日本のAI個人利用率は約6割まで増加。しかし中国・米国・ドイツと比較すると依然として大きく後れを取っている
  • 書籍『2040年の労働供給制約社会』が指摘する通り、深刻な人手不足は確実に到来する
  • 15年後には労働生産性を1.5倍に引き上げる必要がある
  • 米国ではすでにAI導入に伴う「AI就職氷河期」が起きており、日本のIT業界でも採用の二極化が進行中

「今日よりも明日の方が、人手不足はより深刻になっていく」──この一言が、会場全体の空気を引き締めました。

デジタルの本質は「エンパワーメント」

今回、最も多くの参加者が頷いていたのが、柿元氏の以下の言葉です。

「デジタルの本質とは、10点や30点レベルの人を、60点や70点のアウトプットができるように引き上げること。職人と素人の違いは、”作業に取り掛かる際に迷うかどうか”。その最初の0→1の工程こそ、AIで積極的にサポートすべきなのです」

そして本日紹介するGemini Notebookは、「75点から95点へ引き上げる」ためのツールであるという位置づけが明確に示されました。

業務を3つに分類する視点

柿元氏は業務を以下の3つに分類し、それぞれのAI活用アプローチを提示しました。

  1. 非定型で自動化・AI化が困難な業務 → 手動で改善を続ける
  2. 非定型でAI活用に適した業務 → AIで業務改善(急拡大領域)
  3. 定型で自動化が可能な業務 → AIエージェント等で自動化

「専門分野外の作業にAIを活用し、浮いた時間を再び自分の専門分野に投入する」──この視点は、明日から実践できる指針として多くの経営者の胸に響いたはずです。

Gemini Notebookとは?── ChatGPTとの決定的な違い

普通のChatGPTやGeminiが「汎用的な知識」から回答を生成するのに対し、Gemini Notebookは「自分が指定・アップロードしたデータからしか回答を出さない」という決定的な特徴を持ちます。

主な特徴・メリット

  • 出所の明記:回答の根拠となる引用元を厳密に表示
  • RAG(検索拡張生成)の簡易化:専門知識なしで誰でも使える
  • 情報の一元管理と共有:社内データを正確に検索・活用可能
  • セキュリティ:アップロードデータはAI学習に利用されない(機密情報は有料版推奨)

実践ハイライト:総会資料・決算書の分析に会場がざわめく

勉強会中盤、実習として同友会の過去3年分の総会資料と決算書をGemini Notebookに読み込ませ、以下のようなプロンプトを投げかけました。

「この組織の決算資料から、財務面でのリスクや留意すべき点をあげてください」

AIは瞬時に、いくつかの財務リスクを整理して提示。会場からは「おお…」というどよめきが上がりました。

さらに驚きだったのが、次の分析です。

「各支部の活動方針で、過去3年間内容がほとんど変わっていない(コピー&ペーストされている)支部はどこですか?」

AIは複数年分の資料を横断検索し、方針が変わっていない支部・直近2年間で完全にコピペ状態になっている支部を具体的に洗い出しました。人間が数日かけて行う分析が、わずか数秒で完了する──この光景は、参加者の”AI観”を大きく揺さぶるものでした。

現場で使えるGemini Notebook活用アイデア

📚 個人での活用

  • スキャンした書籍のPDF化・要約
  • 1時間超のYouTube動画をマインドマップ風に構造化
  • 「著者の主張と矛盾する事例はあるか?」といった深掘り分析

🏢 会社・業務での活用

  • 議事録の自動作成:会議冒頭に「営業部の柿元です」と自己紹介するだけで、発言者の割り当て精度が劇的に向上
  • 社内問い合わせQAボット:就業規則、経費精算規定、ITマニュアルを読み込ませて自動応答
  • 営業活動の支援:過去の営業記録から顧客ごとの攻略法を提案

🌏 外国人技能実習生向けマニュアル多言語活用

日本語のマニュアルを投入しておくだけで、実習生が母国語で質問すれば、AIが母国語で正確に手順を回答。多言語翻訳の手間ゼロで、外国人スタッフの現場適応を支援できます。

参加者の声・現場での気づき

Q&Aセッションでは、参加者の森田氏から「社内規定が改定されたらどう更新するのか?」という実務直結の質問が上がりました。

柿元氏の回答は明快でした。

「Googleドライブ上のファイル(Googleドキュメント形式)を更新すれば、AIが自動的に最新版を読み込みます。WordやPDFのままでなく、Googleドキュメント形式に変換して保存することが最重要ポイントです」

参加者からは「これは月曜から即実践できる」「うちの社内規定、すぐに読み込ませてみたい」といった声が寄せられました。

ハルシネーション(AIの嘘)への正しい向き合い方

柿元氏はAI活用の落とし穴も丁寧に解説されました。ハルシネーションの主な原因は4つ。

  1. 確率論で動作している(意味を理解していない)
  2. ユーザーの期待に応えようとする設計
  3. 技術的・構造的な制限
  4. トークンオーバー(メモリ容量オーバー) ← 最も多い原因

対策は意外にもシンプル。チャットが長くなったら、一度新しくやり直すこと。「これまでのやり取りをまとめて、新しいチャット用の指示文を作ってください」とAIに依頼し、新しいチャットで再開する──この一手間で、AIの精度は劇的に安定します。

まとめ:不確実な時代を、仲間と共に学び越える

地震の余波が続く中でも、画面越しに集った経営者の皆さまの真剣な眼差しは、同友会の「自主・民主・連帯」の精神そのものでした。よい会社をつくり、よい経営者になり、そしてよい経営環境をつくる──その学びの積み重ねが、いざという時の企業の底力になると改めて実感した一日です。

当日の会場風景

次回予告

🗓 第3回 AI勉強会(8月25日 火曜日)

  • Gemini NotebookとGemini(本体)の連携テクニック
  • Gemini Notebookを活用した一部業務の自動化手法
  • 次回の本格的なAIエージェント(Claude Code / Claude Co-work)を用いた自動化へ

「うちにもAIを本気で入れたい」「まず何から始めればいいのか知りたい」──そんな経営者の皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。

「聞いたけど使わない」から「使って成果を出す」へ。次回7月28日、実践ハンズオンの第3回にご期待ください。


📢 参加のご案内

福岡県中小企業家同友会 りょうちく支部では、経営AI支援勉強会への参加をお待ちしています。会員でない方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ:福岡県中小企業家同友会 りょうちく支部(TEL:092-686-1234
次回開催:2026年8月25日18時30分~「NotebookLM活用②」[開催場所]県南センター:福岡県久留米市西町1367−1)
お申込みhttps://zenkoku.e-doyu.jp/s.event/showDetail.html?init&eid=982716&lid=982716_24

学びを、実践へ。仲間と共に、次の時代の経営を創りましょう。


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2026年8月11日
カテゴリー: 支部内塾開催報告 活動報告 タグ: , ,

ryochiku について

福岡県の南部、筑後地方(久留米市東部、うきは市、朝倉市、朝倉郡、大刀洗町)を基盤とする中小零細企業経営者の自主的な集まり、福岡県中小企業家同友会りょうちく支部です。経営改善や事業承継、支部内経営勉強会など中小企業経営者の悩み解決活動の記録を支部役員としてレポートしています。