「経営者として目覚める」とは――私たちの原点に立ち返る


中央支部の皆さま、日々それぞれの現場で、良い経営者になり、良い経営をしようと経営の改善と発展に真摯に取り組んでおられること思います。

私たちは「経営者自らが学び、考え、行動すること」を原点とし、自社の成長と社員の幸せ、そして社会への貢献を目指す仲間です。ともに悩み、語り、支え合うこの場の意義は、年を重ねるごとに深まっていると感じています。

7月の例会では、「人として、経営者として目覚める瞬間(とき)」というテーマのもと、中央支部会員で司法書士・行政書士の持田仁子さんより、ご自身の内面の変化や、経営者としての自覚の芽生えについてご報告をいただきました。

「目覚め」とは、何か特別な才能を得ることではありません。日々の仕事のなかで、ある瞬間、自らの存在に責任を持ち、「自分は経営者としてどうあるべきか」と深く自問すること――それが、真の経営者への第一歩なのではないでしょうか。

私の経営において心に残っている稲盛和夫氏の言葉に、次のようなものがあります。

「動機善なりや、私心なかりしか。」

経営判断の根底に、「それは人間として正しいか」という視点を持つ。打算や利己心ではなく、善き動機に基づいて意思決定する。
この姿勢は、規模の大小を問わず、すべての企業経営に求められる根本的なあり方だと私は思います。

そしてこの問いと向き合い続けることこそが、「経営者としての目覚め」にほかならないのです。

中小企業経営は、時に厳しく、孤独な闘いでもあります。しかし、同友会という学びの共同体の中で、志を同じくする仲間と出会い、語り合うことが、私たち自身の視座を高め、組織を変える大きな原動力になります。

8月もまた、皆さまとともに「経営者として、より良く生きるとは何か」を問い続け、実践し続ける月にしたいと願っております。

今月も、どうぞよろしくお願いいたします。


2025年8月1日

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