父から受け継いだ会社をさらに先の世代へ~事業の継続は社長の責任~ (株)十八防災システム

「安心・安全」はこれからの重要テーマ

久留米市にある(株)十八防災システムは、火災報知機・スプリンクラー設備等消防設備の工事・メンテナンスや放送・インターホンといった電気通信工事を行う会社です。顧客の多くは工場・倉庫・病院・商店・事業所などですが、一般家庭向けに消火器やカメラ設置などの業務も行っています。同社の事業分野である「安心・安全」というテーマはこれからの社会において最重要なものになっていくと林さんは考えています。顧客である工場や事業所などには法律で消防設備の設置が義務付けられています。自社の仕事で人々に安全で快適な生活をしてもらうため、よりよい提案をお客様へしていくことにさらに力を入れていきたいと話してくれました。

社会人経験わずか数か月で社長に

林さんが経営者となったのは大学を卒業してすぐのことでした。創業者のお父様が体調を崩し、卒業後大阪で就職していた林さんが久留米へと戻り会社を継ぐことになりました。この時、社会人経験わずか数カ月。突然社長となり、右も左もわからない状況から林さんの経営者人生がスタートしました。当初は他社の経営理念を参考にしながら見よう見まねで経営理念を考え、経営指針書を作成しました。5年後10年後にこの会社はどうなっているのか?それを数字にどう落とし込むのか?社長が理想の姿をどれだけ頭に思い描いていても、具体的な数字が伴っていなければ社員はついてきてはくれません。当初、社長が一人で作成していた経営指針書は会社の組織体制が整ってきたころから社員とともに作成をし始め、現在に至るまで毎年作成を続けています。1961年の創業からもうすぐ60年。これまでに厳しい時期ももちろんありました。しかし経営指針書により自社の状況を的確に捉えられたことで、会社を立て直し現在に至ることができたといいます。

事業の継続は経営者の責任

そんな林さんも現在はすでに事業承継を終え、同社の取締役会長となっています。人口が減少する中、働き方改革に対応できない中小企業は淘汰されていくという話もあり、廃業する会社も増えてきています。林さんのもとにも後継者不在の同業者から「顧客を引き継いでくれないか」という相談がありました。林さんはただ顧客を引き継ぐのではなく、その会社を買い取って事業そのものを継続することを選びました。もし企業が廃業すれば社員や取引先はどうなるだろうか?と林さんは問いかけます。経営者としてそれらの人々の信頼を裏切るわけにはいきません。事業承継には後継者の育成やM&Aなど様々な形があります。最後に、経営者の責任として自身が退いた後のことまで社長は考え、取り組んでいかなければならないと若い経営者や同友会に対して提起をしてくれました。

安全の基本は3S!顧客となる工場では危険物を扱っていることもあります。消防法上の規制をしっかり守り、安全対策には特に力を入れています。

会社名:(株)十八防災システム

会社所在地:久留米市長門石1-3-34

会社概要:消防設備工事(火災報知機・スプリンクラー他)電気通信工事(放送・インターホン他)

社員数:社員27名・パート2名

創業:1961年

URL:https://18bousai.com/

2019年10月31日